平成27年度の記事
平成27年度の記事

10月18日、外出支援活動を行いました

ガイドボランティアくるみの会と本会が共同でおこなっている外出支援活動は今回で10回目となります。今回は、全盲で2人で生活している高井秀嗣さんの周辺の交通環境に焦点を当てて実施しました。高井さんは今までにも、交通事故に遭遇し負傷することがありました。

高井さんの暮らしでは、バス停、コンビニ、郵便局などに独力で歩いて移動する必要があります。安全に歩けるかどうかを本人と一緒に実際に歩いて見て回りました。その中でいくつか安全上に問題があることがわかりました。

まず、近くのバス停に行く時の横断歩道では、信号機はあるものの、青信号になったことを知らせる音響式信号機はありません。さらに、点字ブロックがないため、横断歩道に向かう方向がわからず、間違って交差点に入ってしまいました。

次に、コンビニへ向かう道路ですが、ここも、点字ブロックがなく、歩道と車道を識別するための縁石が陥没していて、足で探ってもあるかどうかが判断できないため、方向が確認できず、誤って交差点に入ってしまいました。車通りもはげしいため、危険な状態でした。その先の郵便局へ向かう道路には、信号機はあるのですが、やはり、音響式の信号機はありません。郵便局のそばの交差点には音響式信号機がありますが、ここの点字ブロックは、縁石の円弧に沿って敷設されたもので、横断歩道に向かう方向が確認できないため、交差点に入ってしまうという問題もありました。盲導犬協会から歩行訓練にきてもらって練習したのですが、その後も同じようなことが何度もあったそうです。

今回の取り組みで明らかになった問題点としては、①点字ブロックが敷設されていなかったり、敷設されていても利用しやすいものになっていないため、交差点に入り込んでしまうという問題、また、②信号機があっても音響式でないため、信号は利用できず、車の動く音をたよりに横断せざるを得ないという問題がありました。

これらの問題点を、帯広市に要望書の形で提出し、改善につなげていきたいと考えています。

最近、視覚障害者が交通事故で犠牲になる事故が相次いで起きています。会ではこれらのことも踏まえて、安心して外出できる街づくりに役立つよう、具体的な声を上げていく活動を続けていきたいと思います。

今回の活動には、会員4人の他、ガイドボランティアくるみの会の4人の会員が参加し、帯広市の安心・安全推進課の職員の方にも同行していただきました。

「障害者と十勝の旅をしよう」を行いました

9月13日、ガイドボランティアくるみの会と本会の共催で今年で8回目となる「障害者と十勝の旅をしよう」を行いました。

今年は幕別町を訪れ、魚道観察室ととろーどや幕別町ふるさと館などを見学し、十勝カルメル会修道院で、シスターから貴重なお話を聞くことができました。また、焼肉ハウスで昼食と交流をしました。

ガイドボランティア25人、会員15人、会員外の障害者2人、盲導犬2頭が参加しました。

第3回防災講座を行いました

東日本大震災から4年が経過しました。過去の大震災では、視覚障害者の安否確認や避難所生活が非常に困難だったことが様々な証言によって、明らかになっています。視覚障害者はまさに災害弱者といえます。

本会では、これらの教訓を踏まえて、災害に備え、日頃から何ができるのかを、点字図書館職員やボランティアの皆さんにも集まってもらい、ともに考えてきました。

3月15日、その第3回目として、避難所に避難した際、視覚障害者に対してどんな対応が必要なのか、また、安否確認はどうすればよいのかなどについて話し合いました。

避難所対応では、避難庫(避難所に常備されている倉庫)に視覚障害者に対応するマニュアルを常備してもらうこと。また、安否確認では、特に独居や、高齢の視覚障害者の安否確認が急がれるため、行政や町内会の対応だけでなく、独自の連絡組織を作り、災害時には、いち早くかけつけられる体制が必要ということになりました。

最後に、1年間保存していた非常食の缶入りのパンやカンパン・ビスコなどを、参加者全員で試食し「わりとおいしいねぇ」「これはすぐ飽きるかも」などと感想を出し合いました。

この講座には、北海点字図書館職員2人、ガイドボランティアくるみの会会員5人、本会から5人が参加しました。

①避難庫に常備してもらう視覚障害者対応マニュアルは次の通りです。

(1)避難所には視覚障害者が必要とする白杖、点字機、ルーペ、ガムテープ、ビニールひも等を備えておいてください。ガムテープやビニールひもは廊下に目印を付けるときなどに役に立ちます。

(2)見えない、見えづらい状態には個人差が大きいため、避難所で見えづらそうな人を見かけたら、見えづらさの程度や、どんなことが困るかを尋ねてみてください。  ・全く見えない
 ・急に暗いところや明るいところに行くと見えなくなる
 ・大きな文字で書いた掲示物が見えなかったり、小さなものが見えない
 ・避難所の自分の居場所や就寝するところが確認できない
 ・自力で歩くことができない
 ・食事の受け取りやトイレまで自力で行けない
 ・一見すると見えているようでも実際には見えていない
などなど……。

(3)避難所での自分の居場所や就寝するところが見えない人は、とても不安な気持ちになるといわれています。そのような障害者には、居室の入り口の近くとか壁に寄った場所で目印が付けられる所などに居場所を確保してください。

(4)避難所での移動は、避難者が多いことや壁や間仕切りが判然としないこと、通路が分からないなどで、かなり困難と思われます。配食場所やトイレの位置などを丁寧に教えていただき、自力での移動ができるようご配慮ください。また、必要によっては、目印や床へのテープ敷設などもお願いしたいと思います。トイレへの移動が困難な人には行き帰りの介助や利用の仕方などを教えてください。。

(5)掲示板や回覧板での情報提供が一般的と思われますが、ほとんどの視覚障害者は、読むことが困難と思われます。必要な情報だけでなく、掲示される情報については、できるだけ多くの情報を、かつ速やかにお伝えいただけますようお願いいたします。

(6)視覚支援学校(盲学校)及び視覚障害者福祉施設・公共施設を、福祉避難所として利用できるよう避難所指定をし、1日も早く、そちらに移動できるようご配慮ください。また、福祉避難所が確保できないときは、避難所内に視覚障害者用の専用スペースを確保してください。

(7)災害時の安否確認や情報提供に以下の電話番号で「災害伝言ダイヤル171」を利用してください。
お問い合わせ・連絡先電話番号
・北海点字図書館   0155-23-5886番
・十勝視覚障害者の会 0155-21-1414番

このマニュアルは、十勝管内全市町村の全ての避難所に常備してもらうよう要請することにしています。

②安否確認のための連絡網

(1)連絡票を作成します。

(2)希望する視覚障害者は「緊急連絡票」に記録し登録します。

(3)登録された情報は北海点字図書館と本会の役員が厳重に保管・管理します。

  緊急連絡票の記入内容は次の通りです。

(1)本人欄
・現住所
・電話
・氏名
・生年月日
・性別
・避難所
・視覚障害の状態
(2)緊急連絡先欄(家族等)
・氏名
・続柄
・連絡先
  電話
  避難所
(3)かけつけ安否確認担当者欄
・氏名
・連絡先
  電話
  避難所

新年会を行いました

1月11日(日)正午から午後2時まで十勝ガーデンズホテルで今年の新年会を行いました。

朝から好天に恵まれた11日、会員18名、音訳ボランティアさざなみの会から2名、かっこうの会から1名、くるみの会から5名、北海点字図書館から3名、ガイドヘルパー1名が参加しました。会長挨拶に続き乾杯の後、参加者全員から、新年の挨拶や近況などがこもごも話されました。また、外出時のトラブルや失敗談など、ユーモアを交えた面白い話題が飛び出しました。

最後に今年の運試しということで、ビンゴゲームを行い、楽しいひとときを過ごしました。

 ↑参加者全員の集合写真です

視覚障害者学級が行われました

2月22日、帯広市保健福祉センターにおいて視覚障害者学級が行われ、お葬式のマナーを学びました。

帯広公益社の牛丸和也さんを講師に、通夜・葬儀・忌中引きのながれ、焼香の作法、参列するときの服装、香典袋と金額、家族葬についてなど、約2時間、とても分かりやすく説明していただきました。

さらに、焼香台を実際にさわって、焼香の方法を体験したり、念珠をもって、数珠の持ち方などを宗旨・宗派別に具体的に教えていただきました。

視覚に障害を持つ者にとって、葬儀の際に周りの様子が見えないため、失礼があってはならないとか、こんなことを人に聞けないなどの悩みがありましたが、それらの様々な疑問にも丁寧に答えていただき、とてもためになる講座となりました。

視覚障害者6人、ボランティア2人、ガイドヘルパー1人が参加しました。