社会保障の中でも社会福祉は高齢者や障害者の生活援助のためにサービスや支援を提供する仕組みです。
社会福祉には次のようなものがあります。
身体障害者福祉 ,知的障害者福祉 ,精神障害者福祉 ,老人福祉 ,児童福祉 ,母子福祉 などです。老人福祉はそのほとんどが介護保険に移行しています。
ここでは主に身体障害者福祉について説明します。
従来は行政の責任で障害者などにサービスの提供を行う措置制度が実施されてきましたが、2006年、自立支援法が施行され、介護保険をモデルにした、措置制度を契約制度に転換する改革が行われ、障害者福祉制度は大きく変わりました。
2006年4月から障害者自立支援法が施行され、身体・知的・精神障害者を対象に契約によるサービス利用方式に変更されました。
障害者自立支援法では市町村が行う支給を受けた障害者、これを支給決定障害者といい、都道府県知事の指定を受けた事業者や施設、これを指定事業者といい、そことサービスの事業契約を結び、それに基づいて給付対象となるサービスを利用した場合に、市町村がサービスの費用の9割を給付する仕組みです。
市町村がサービス費用を指定事業者に支払うという形をとるため、利用した障害者はサービス利用の際に1割の自己負担、つまり、利用に応じた利用料なので、これを応益負担といいますが、それを支払う必要があります。
社会保険方式でないこと以外は、介護保険と同じ仕組みとなっています。
障害者自立支援法の給付は、自立支援給付といわれ、自立支援給付のうち、介護給付費の支給を受けようとする障害者は市町村に申請して、支給決定(自立支援医療の場合は支給認定といわれます)と、障害程度区分認定を受ける必要があります。
障害程度区分認定は、介護保険の要介護認定と同じ仕組みで、障害者を区分1から6までにランク付けしますが、介護保険のように給付上限、支給限度額の設定はなされず、あくまでも支給決定の勘案事項となります。
ただし、区分によって利用できるサービスが限られます。
自立支援給付はサービス利用があった場合に、個人に給付を行う個別給付ですが、このほか、市町村が行う地域生活支援事業があり、障害者に対する相談事業や権利擁護などの事業を行っています。従来地域生活支援事業であった移動支援事業は、2011年10月から、その一部を国が実施する個別給付の同行援護制度に移行しました。