同行援護制度について
同行援護制度について

2011年10月から同行援護制度が始まりました。

従来、視覚障害者の移動支援は、障害者自立支援法に基づき、市町村が行う地域生活支援事業として実施されてきましたが、市町村によってガイドヘルパーの質や量の格差、提供するサービス内容の違い等が発生し、障害程度区分によって、サービス単価が低く設定されているため、地域によってはサービスが受けられないなどの問題がありました。

また、視覚障害者の移動支援に対するニーズはきわめて高く、外出する際の危険の回避や、移動先での食事・排泄等に必要な情報提供など多様なニーズに応えてほしいという全国の視覚障害者の声を受けての同制度創設となったと思われます。

サービスの内容についても全国的に一定の水準で実施されることが強く望まれていたところです。

2011年10月、通称「つなぎ法」に基づく改正自立支援法が実施され、障害者自立支援法で定義される介護給付費の「同行援護」として個別給付されることが決まっています。

同年6月、厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課が発表している「同行援護の事業内容等について」によると①移動時及びそれに伴う外出先において必要な視覚的情報の支援(代筆・代読を含む。)②移動時及びそれに伴う外出先において必要な移動の援護③排泄・食事等の介護その他外出する際に必要となる援助(外出前後に居室内で行う援助は除く)となっています。

これは、単に移動を支援するだけでなく、移動先での視覚情報つまり、代筆や代読などのサービスを含んでいるということです。さらに、排泄・食事等の介護を具体的にサービス内容に含めています。今までは、この点が明確でなく、サービス事業者や担当者によって対応がまちまちだったことを考えると、大きな改善といえます。

同行援護の対象者については、法律において、「視覚障害により、移動に著しい困難を有する障害者等」とされていることを踏まえ、一定の要件を設けるとしています。

新しい基準を設けることになっていますが、著しい困難を有する障害者ということであり、今まで移動支援を受けていた人はほぼ該当するものと考えられます。

この制度を利用する際、必ずしも身障手帳が必要ではありません。また、障害程度区分にも関係なく利用できます。夜盲症などで、夜の外出が困難な人も対象になります。外出が困難な人は、是非同制度の利用を考えてみてください。

帯広市の場合、今まで移動支援を受けていた人は申請する必要はありませんが、新たに同制度を利用する人は申請が必要となります。

利用目的は、病院・銀行・買い物などの外出、サークル活動などの社会参加などで活用できますが、通勤や通学など定期的な移動には利用できません。

また、利用回数や時間などについては、特に限度はありません。必要に応じて常識の範囲で利用できるということです。

利用料の1割を利用者、つまり、障害者が支払います。非課税世帯、または生活保護世帯は無料です。

現在、十勝管内の市町村では、この制度を実施しているサービス事業所は少なく、希望者がいつでも自由に利用できるまでには至っていませんが、徐々に従来の移動支援から同行援護制度に移行していくものと思われます。