第16回 障がい者と十勝の旅をしようを行いました
晴天に恵まれた8月23日、今年で第16回を迎える「障がい者と十勝の旅をしよう」日帰り旅行を実施しました。今回は浦幌町立博物館と浦幌神社を訪れ、笑顔と発見に満ちた有意義な一日を過ごしました。旅の途中には、釧路や地元で大人気のご当地グルメ「スパカツ」もみんなで堪能し、お腹も心も満たされる時間となりました。
午前中に訪れた浦幌町立博物館では、学芸員の持田様をはじめ、3名の皆様にあたたかく迎えていただきました。3つのグループに分かれて館内を巡り、普段はなかなか触れることのできない貴重な縄文土器や旧石器時代の石器、さらにヒグマやオオワシ、フクロウなどの剥製を実際に手で触らせていただきながら、丁寧な解説とともにじっくりと観察することができました。
また、現代ではほとんど見かけることのない手回しの蓄音機や懐かしいSPレコードに実際に針を落として、その温かみのある音色を聞かせていただいたほか、北海道開拓当時の珍しい農機具なども間近で見学するなど、五感を使って歴史を体感する素晴らしいひとときとなりました。
午後からは、予定にはなかった浦幌神社へ足を伸ばしました。真新しい神殿の中へと特別にお邪魔させていただき、背古宮司様から神社の歴史やいわれについて興味深いお話を伺った後、立派なご神木にも直接触れさせていただき、沢山パワーをいただきました。
行き帰りの大型バスの車内では、マイクが回されるとそれぞれが自己紹介や旅の感想を生き生きと語り合い、参加者同士の距離がぐっと縮まる交流の時間となりました。
車内が一番の盛り上がりと爆笑に包まれたのは、ある参加者の方が披露してくれたエピソードでした。宮司様から「ご神体のいろいろなところに触れると、触れたところが良くなりますよ」というお話を伺ったその方が、「それなら目に触れることで目が良くなるのだったら、もっとしっかり触ってくればよかった!」とユーモアたっぷりに振り返りました。
また、ロービジョンケアに参加して今回で「4回皆勤賞」になるという別の参加者からは、心に響くこんなお話も聞かれました。
「ここに参加するまでは、家でごろごろと過ごす日々が続いていました。字が書けなくなり、読めなくなっていく中で、気持ちがどうしてももやもやしてふさぎ込んでしまいがちでしたが、今では『社会見学に行くんだ』という大きな楽しみと目標になって参加しています」と話しました。
この「障がい者と十勝の旅をしよう」は、コロナ禍の時期を除き、長年にわたって「ガイドヘルプボランティアくるみの会」と「十勝視覚障害者の会」の共催によって積み重ねられてきた催しです。
今回はこれまで以上に新たな参加者の方々が多く加わり、ロービジョンケア十勝の仲間たちやボランティアスタッフ、そして本会会員10名を合わせた総勢37名での大旅行となりました。新しい出会いと温かなつながりが大きく広がり、大盛況のうちに無事終了することができました。
ご協力いただきました関係者の皆様、そして参加されたすべての皆様、本当にありがとうございました。また次回の旅で元気に皆さまとお会いできることを楽しみにしています。
盲導犬宿泊体験セミナー開催案内
盲導犬は、目の不自由な方を安全に目的地に誘導することがお仕事です。このセミナーは、実際に盲導犬との歩行や生活を体験していただくことによって、盲導犬についての知識をよりいっそう深めていただくことを目的としています。
盲導犬を持ってみたい気持ちはあるけれど、不安や疑問があるという方、是非ご参加ください。
日時 2026年8月29日(土) 13:00~ 2026年8月30日(日) 15:00迄
会場 宿泊先 北海道盲導犬協会 北海道札幌市南区南30条西8丁目1-1
参加対象者 視覚障害による身体障害者手帳をお持ちの15歳以上の方で、これまで盲導犬との生活を体験したことのない方 (お一人が不安な方は、同伴の方も参加可。ご家族とご一緒の参加も大歓迎です)。
原則、北海道・青森県・秋田県・岩手県・宮城県・山形県・福島県・新潟県・福井県な
ど(当協会の貸与可能地域)にお住まいの方とさせていただきます。
募集人数 4名(応募者が4名を超えた場合は、当協会の規定に基づき参加者を決定
させていただきます。あらかじめご了承ください。
参加費 無料
交通費は、参加される方の自己負担とさせていただきます。
セミナー内容
盲導犬との体験歩行・・・盲導犬歩行指導員とともに札幌市内を歩行します。
盲導犬の管理体験・・・当協会にて盲導犬と寝泊りしていただき、食事、排泄、手入れなど日常の世話をしていただきます。
交流会・・・現役盲導犬ユーザーおよび当協会職員との交流。
送迎 当協会最寄り駅や新千歳空港までの送迎が可能です。また、札幌市近郊にお住まいの方で来所に不安のある方はご相談に応じます。
申し込み締切日 2026年8月5日(水)
日程が合わない方は、個別体験も行っております。是非ご連絡ください。
申し込み・問い合わせ先 公益財団法人 北海道盲導犬協会 担当 角田
〒005-0030 北海道札幌市南区南30条西8丁目1-1
電話 011-582-8222
FAX 011-582-7715
E-mail s-kakuta@hk7.h-guidedog.org
6月28日 バス研修を行いました。
「然別湖大自然満喫・焼肉ランチの旅」と銘打ってバス研修を行いました。
雨続きの空から一転、素晴らしい天気に恵まれた旅の始まりとなりました。帯広を出発したバスは、各地で参加者を乗せて然別湖へと向かいました。山間部に入るにつれ厚い雲が立ち込めてきましたが、一行が遊覧船に乗り込むと同時に雲が割れ、強い日差しが湖面と山々を輝かせ、見事な景色を堪能することができました。
船内では参加者同士の弾むようなお喋りが飛び交い、近況報告や笑い話が絶えませんでした。下船後、澄んだ湖を背にした集合写真では、目の前にそびえる唇山を背景に、皆さんの表情から旅の充実感が伝わってきました。その後、カフェでコーヒーの香りに包まれて過ごした穏やかな時間は、旅の大切な休憩地点となりました。
帰りのバスでは、時間が足りないほど、一人ひとりの口から次から次へと物語が溢れ出しました。
アルトサックスの練習を始めたという意欲的な報告や、バイクを手に入れて遠出をしたいというボランティアの人の夢。日常の中に小さな楽しみの種を見つけ、それを育てようとする前向きな姿勢が、車内を明るく照らしました。
就労継続支援B型での仕事に励む日々のこと、エスコンフィールドでの野球観戦を楽しみにする計画、そしてほくてんで始まった手芸教室での新たな発見。手仕事をとおして自分自身の楽しみを見つける喜びが語られました。
また、夫婦の絆を巡るドラマも印象的でした。葛藤の末に関係を修復したエピソードや、大病を患った際、妻の深い愛に支えられて再び歩み出せたという感謝の言葉は、皆の心に深く響きました。
健康であることのありがたさを大病の経験から改めて噛みしめる声。生活の質を高めるための日々の努力、例えば毎日朝4時から1万歩を歩き足腰を鍛え上げるその強さは、皆からの大きな拍手で称えられました。
盲導犬と暮らすことで旅行を一緒に楽しめるようになった喜び、がんと闘い続けて19年、妻の愛に支えられた闘病生活、愛猫との仲睦まじい暮らしぶりなど、共に強く生きることの尊さが、笑いの中からひしひしと伝わってきました。
今回の旅の締めくくりは、平和園での焼肉でした。美味しい食事を囲み、アルコールの力も借りて話も尽きることなく、誠に楽しく有意義な一日となりました。
参加者はほくてん職員1人、くるみの会から5人、家族ボランティア2人、会員外の当事者5人、会員9人の合計22人でした。
お忙しい中ご参加いただいたボランティアをはじめ会員外の当事者、会員のみなさん、大変ありがとうございました。
外出支援活動を行いました
2026年5月18日に開催された「外出支援活動」の報告です。
今回の外出支援活動は、実際に出かけることだけを目的とするのではなく、視覚障害者が「必要な時にいつでも出かけられる」ようになるための課題を確認し、情報交換の場として実施しました。
冒頭、盲導犬が一定の年齢になり、あと2年もすれば返さなければならないが、犬がいなくなると毎朝の散歩ができなくなり、足腰が弱って車椅子生活になるのではないかという強い不安が出されました。
自宅の玄関先などでふらつくため手すりの設置を役所に相談したところ、「できない」と断られた事例が紹介されました。
運動不足解消のためにデイサービスでの運動指導を勧められるなど、高齢化に伴い悩みの質が変化している現状が指摘されました。
さらに、視覚障害者の外出を支える「同行援護」制度について、地域格差や運用の難しさが議論の焦点となりました。池田町、幕別町、士幌町、音更町など、帯広市以外の町村には同行援護を行う事業所がほとんどないという実態が浮き彫りになりました。
都市部では利用者と事業所が多いため制度が回るが、町村では利用者が少なく、事業所が人を雇って維持していくことが困難です。居住地に事業所がなくても、手続きを地元で行い、帯広の事業所などと契約して、帯広に来た際にサービスを受けることは可能です。また、東京などの遠方へ行く際も、事前に現地の事業所と調整すれば利用できることが説明されました。
役所から「介護保険」の利用を勧められることが多いですが、介護保険は1割負担が生じるのに対し、同行援護は原則無料(所得制限あり)であることや介護保険にはない、読み書きサービスなど視覚障害に特化したサービスを考慮して、制度の選択を行う必要があることも話されました。同行援護をより利用しやすいものにするために、もっと多くの当事者が利用申請する必要があることも強調されました。そのことにより、行政もその必要性を理解することにも通じると思います。
日常生活におけるデジタル化が、視覚障害者にとって新たな障壁となっている現状も報告されました。飲食店やスーパーのセルフレジがタッチパネル化され、周囲の助け(家族や店員)なしでは買い物が困難になっています。便利である一方、不正利用の被害に遭い、見えないために被害の発見が遅れそうになった経験から、スマホ決済をやめたという報告もありました。一方、ユニクロのセルフレジ(タグを読み取る方式)のように、視覚に頼らずとも会話形式や自動読み取りで完結する技術の普及に期待が寄せられました。
行政が進めるマイナンバーカードについても、視覚障害者特有の不便さが指摘されました。65歳になり「後期高齢者医療制度」に組み込まれている場合、年齢の条件(75歳以上)に合致しないとして、マイナンバーカードと保険証の紐付けができないというシステム上の矛盾が報告されました。写真撮影や認証時に「どこを向いていいか分からない」「目をつぶっていると判定される」などの問題も報告されました。
給付金などの公的支援は、自分から書類を出し、チェックを入れないともらえない「申請主義」であるため、情報を知らないことで損をするケースが多いことが強調されました。
制度が複雑で担当者も把握しきれていないことがあるため、障害者自身が役所に足を運び、困りごとを直接伝えることで、行政側を「育てる」必要があるとの意見が出されました。
最後に、参加者からは「知らないことがたくさんあった」「情報を共有し合う機会は、外出するのと同じくらい大切だ」といった感想が述べられました。
参加者は会員7人、くるみの会から4人でした。