- 第57回ロービジョンケア十勝交流会のお知らせ
- 第16回 障がい者と十勝の旅をしようを行いました
- 第56回ロービジョンケア十勝交流会のご報告
- 第55回ロービジョンケア十勝交流会のご報告
- ロービジョンケア十勝交流会について
第57回ロービジョンケア十勝交流会のお知らせ
視覚障害者当事者だけでなく、ご家族や、その知人、医療・教育・福祉関係者など、どなたでも、ご自由に参加できます。お気軽にご参加ください。
第57回ロービジョンケア十勝交流会
日時:10月17日(土)午後1時から3時まで
場所:グリーンプラザB・C会議室
住所:帯広市公園東町3丁目
電話:0155-27-2325
参加費:無料
申し込み・問合せ先:ロービジョンケア十勝
電話:0155-21-1414(鈴木)
第16回 障がい者と十勝の旅をしようを行いました
晴天に恵まれた8月23日、今年で第16回を迎える「障がい者と十勝の旅をしよう」日帰り旅行を実施しました。今回は浦幌町立博物館と浦幌神社を訪れ、笑顔と発見に満ちた有意義な一日を過ごしました。旅の途中には、釧路や地元で大人気のご当地グルメ「スパカツ」もみんなで堪能し、お腹も心も満たされる時間となりました。

午前中に訪れた浦幌町立博物館では、学芸員の持田様をはじめ、3名の皆様にあたたかく迎えていただきました。3つのグループに分かれて館内を巡り、普段はなかなか触れることのできない貴重な縄文土器や旧石器時代の石器、さらにヒグマやオオワシ、フクロウなどの剥製を実際に手で触らせていただきながら、丁寧な解説とともにじっくりと観察することができました。

また、現代ではほとんど見かけることのない手回しの蓄音機や懐かしいSPレコードに実際に針を落として、その温かみのある音色を聞かせていただいたほか、北海道開拓当時の珍しい農機具なども間近で見学するなど、五感を使って歴史を体感する素晴らしいひとときとなりました。

午後からは、予定にはなかった浦幌神社へ足を伸ばしました。真新しい神殿の中へと特別にお邪魔させていただき、背古宮司様から神社の歴史やいわれについて興味深いお話を伺った後、立派なご神木にも直接触れさせていただき、沢山パワーをいただきました。


行き帰りの大型バスの車内では、マイクが回されるとそれぞれが自己紹介や旅の感想を生き生きと語り合い、参加者同士の距離がぐっと縮まる交流の時間となりました。
車内が一番の盛り上がりと爆笑に包まれたのは、ある参加者の方が披露してくれたエピソードでした。宮司様から「ご神体のいろいろなところに触れると、触れたところが良くなりますよ」というお話を伺ったその方が、「それなら目に触れることで目が良くなるのだったら、もっとしっかり触ってくればよかった!」とユーモアたっぷりに振り返りました。
また、ロービジョンケアに参加して今回で「4回皆勤賞」になるという別の参加者からは、心に響くこんなお話も聞かれました。
「ここに参加するまでは、家でごろごろと過ごす日々が続いていました。字が書けなくなり、読めなくなっていく中で、気持ちがどうしてももやもやしてふさぎ込んでしまいがちでしたが、今では『社会見学に行くんだ』という大きな楽しみと目標になって参加しています」と話しました。
この「障がい者と十勝の旅をしよう」は、コロナ禍の時期を除き、長年にわたって「ガイドヘルプボランティアくるみの会」と「十勝視覚障害者の会」の共催によって積み重ねられてきた催しです。
今回はこれまで以上に新たな参加者の方々が多く加わり、ロービジョンケア十勝の仲間たちやボランティアスタッフ、その他総勢37名での大旅行となりました。新しい出会いと温かなつながりが大きく広がり、大盛況のうちに無事終了することができました。
ご協力いただきました関係者の皆様、そして参加されたすべての皆様、本当にありがとうございました。また次回の旅で元気に皆さまとお会いできることを楽しみにしています。
第56回ロービジョンケア十勝交流会のご報告
2026年8月1日に開催された第56回ロービジョンケア十勝交流会では、参加者の近況や日頃の悩み、制度上の課題などについて活発な発言がありました。
参加者からは、視覚障害を抱えながらも新しいことや趣味に挑戦する様子が数多く報告されました。
ある参加者はアルトサックスの教室に通い始めたとのことです。視野が極端に狭いため五線譜の5本線が一度に見えないことから、メッセージカードに大きな文字で音符を書き、コントラストを強める工夫をして練習に励んでいます。練習会場も近隣のホールを安価(400円)で借り、楽しく取り組んでいる姿が紹介されました。また、平和のお話会でコーラスを披露したという報告もありました。
北海点字図書館では「見えなくても何かを作りたい」という要望に応え、女性を中心に有志が集まってペーパークラフトのかご作りなどを始めています。
一方で、視力の低下に伴う生活維持への不安も語られました。春先から急激に視力が落ち、食事の準備が困難になった参加者からは、「いつまで今の家で暮らせるか」という強い不安が明かされました。
これに対し、盲導犬協会などが実施している「生活訓練事業」(宿泊して生活技術を学ぶプログラムや相談者の家庭に出向いて実施する訪問指導)といった制度を利用し、自立の道を模索するためのアドバイスが出されました。
外出支援サービスをめぐっては、現場の実情について議論が交わされました。通院や買い物だけでなく、美術館での鑑賞(展示内容の読み上げなど)に活用している事例が紹介された一方で、課題も浮き彫りになりました。
制度上は十分な利用時間が確保されていても、実際には事業所のヘルパー不足で断られたり、利用者が遠慮して予約を控えていたりする実態があります。また、10月からガソリン代(移動費)が1kmあたり30円から200円へと大幅に値上げされるケースがあり、利用者にとって大きな負担・不安材料となっています。
さらに、介護保険との兼ね合いや利用できる事業所数など、居住する自治体(帯広市、音更町など)によって使い勝手が異なる点も指摘されました。
視覚障害者へ情報を届けるボランティアの現場にも変化が起きています。JR北海道の車内誌をはじめとする雑誌のペーパーレス化が進み、音訳のための記事探しが難しくなっている現状が報告されました。
そうした中、「なすの会」では帯広市の広報誌などを長年にわたり録音し続けており、利用者からは「毎月の楽しみで、市の動きがよくわかる」と感謝の声が寄せられています。
訪問看護師が抱える悩みとして。提供できるサービスの時間制限の問題が出されました。現在の制度では、訪問看護の時間は1回30分と定められています。全盲で独り暮らしの利用者などは、単なる医療的ケアだけでなく、話し相手や日常の些細な手助け(お菓子を買ってくる、一緒にお茶を飲むなど)を求めています。これらに対応すると、実際には1時間から1時間半かかってしまいますが、報酬は30分分しか請求できず、超過分はスタッフの持ち出しで賄われています。
2026年9月からはルールがさらに厳しくなり、「30分枠なら30分しか滞在できない」状況になるため、利用者の精神的な支えとなっている「ゆとりのある関わり」をどう維持するかが大きな悩みとなっています。
支援対象者が視覚障害を受け入れ、社会資源を活用するまでには時間がかかるという課題も指摘されました。
訪問している全盲の利用者は、ロービジョン交流会のような集まりを紹介しても、最初は「私には関係ない」と拒み、興味を持ち始めてからも「自分はまだそこまでなれない」と、参加を躊躇する心理的なハードルがあります。
スタッフ自身が、利用者のニーズに合致する他の福祉サービスを適切に案内できない現状があります。
外出支援(同行援護)を導入すれば、スタッフの負担軽減や利用者の社会参加に繋がると考えつつも、「どの事業所が対応しているのか」「どの程度のサービスが受けられるのか」という具体的な情報が不足しています。
市役所などに相談しても、事業所リストを渡されるだけで、実際に電話をかけると「今は対応していない」と断られるケースが多々あり、適切な支援に繋げるのが非常に困難な状況です。こうした「制度の制約」「利用者の心の準備」「情報の不透明さ」の間で、手探りの支援を続けている実態を明かしました。
参加者からは、同行援護の仕組みはあくまで「外に出かける時」に使うものなので、家の中でお話しするためだけに使うのは難しいという同行援護の使用上の制約の説明がありました。
北見から参加した全盲の方は、自身の歩んできた体験を語り、会場に大きな刺激を与えました。
視力を失った直後の10年間の葛藤を経て、「周囲の人が視覚障害のことを知らないのは当たり前。だからこそ、自分から積極的に関わっていこう」と気持ちを転換したといいます。失敗や周りからの厳しい言葉を恐れず、バスやJRを利用して一人で札幌まで出かけるなど、「助けてもらう勇気」を持つ大切さを強調されました。
過去には、座席を探そうとして誤って他人に触れてしまい騒がれたり、バスの運転手に定期券の出し方を注意されたり、ステップを踏み外して転倒したりしたこともあったそうです。それでも10年間乗り続けた結果、現在では近所の方が乗り降りを手伝ってくれるようになり、「諦めずに乗り続けて本当に良かった」と振り返っていました。
JRを利用する際は事前に電話で介助を依頼して駅員に改札まで案内してもらうなど、制度をしっかり活用して万全を期しているとのことです。また、友人から特訓を受けたルート(札幌の大丸から道庁までなど)を一人で歩いている際、白杖を持っているために外国人観光客から心配されて足止めを食らったという、言葉が通じない中でのエピソードも紹介されました。
今後は北見でも、十勝での取り組みを参考にしながら活動を始めていきたいという力強い決意が語られました。
今後の主な行事予定
8月23日(日):「第16回 障がい者と十勝の旅をしよう」(浦幌町方面バスツアー)
8月29日(土)30日(日):盲導犬宿泊体験セミナー(1泊2日で犬との生活を体験する催し)
9月13日(日):盲導犬募金・歩行体験イベント(会場:フレスポスズランプラザ)
10月17日(土):第57回 ロービジョン交流会(第3土曜日)
11月14日(土):3Dプリンターで作った立体模型の体験会(会場:北海点字図書館)
今回の参加者は14人でした。参加されたみなさん、どうもご苦労様でした。
第55回ロービジョンケア十勝交流会のご報告
6月20日第55回交流会を行い、看護師やケアマネ、介護士、ボランティアを含めて22人が参加しました。
参加者は、全く光を感じない全盲の人から、視野が極端に狭い人、特定の距離だけが見える人、あるいは手術を経て視力が変動し続けている人など、様々な見え方の人が参加しました。ここには「見えるか見えないか」という二元論では語れない、視覚障害の複雑さがあります。
参加者たちは、自身の病名(緑内障、網膜色素変性症、黄斑変性症など)と共に、霧の中にいるような感覚や、針の穴から覗くような視野、あるいは光の眩しさといった、日々の具体的な「見え方」を知ることから交流を始めました。
社会の「進化」がもたらす新たな障壁として、ハイテク・トイレの問題があります。
公共施設のトイレにおける使い勝手の問題です。
JR駅や公共施設で導入が進んでいる「手をかざす」タイプの非接触センサー式ドアや洗浄ボタンが、視覚障害者にとって大きな混乱を招いています。
音声で「手をかざしてください」とアナウンスされても、具体的に「どこに」センサーがあるのか、物理的な突起がないため手探りで見つけることができません,。
また、ガイドヘルパーに付き添われて入室した際、ガイドが外からドアを閉めてしまうと、システムが「中には誰もいない(退室した)」と誤認し、鍵がかからない、あるいは外から簡単に開けられてしまうという事態が起きます。実際に、使用中に突然ドアが開いてしまい、他者と鉢合わせるという苦痛を伴う事例が報告されました。
緊急呼び出しボタン、洗浄ボタン、乾燥ボタンがフラットなパネルに並んでいるため、意図せず緊急ボタンを押してしまうリスクが常に付きまといます。この問題に対し、当事者たちは以下のような回避策をアドバイスしました。
広すぎる多目的トイレは、壁のボタンまで距離があり、配置も施設ごとにバラバラです。そのため、あえて狭い一般の個室トイレを選び、物理的に位置を把握しやすくするという工夫です。
新しいタイプのトイレを使用する際は、事前にガイドと共に、ここがセンサー、ここが鍵と触って確認し、練習することが必要です。他の参加者からも同じような意見が出されました。
手術に失敗するなどして、絶望の中にいる中途視覚障害者にどう向き合うべきかという問いに対し、先輩当事者たちから重みのあるアドバイスが送られました,。
見えるはずだったという期待を裏切られた時の絶望は、砂を食べているような味気ない日々をもたらします。多くの当事者が、「半年から1年は絶望して当然」と語ります。無理に前を向かせようとする励ましは逆効果であり、本人が自分の不自由さを認め、苛立ちをぶつけながらも、少しずつ今の自分を受け入れるための時間が必要ではないかと話し合われました。
同じ境遇の仲間と出会い、「自分だけではない」と感じることも、最大の特効薬になります。この交流会そのものが、愚痴をこぼし、情報を得ることで、生きる意欲を再燃させる場となっているという発言もありました。
生活の質を維持するための具体的なツールや工夫についても、活発な情報交換が行われました。一人暮らしの視覚障害者にとって、冷蔵庫内の食材を把握することは至難の業です。特殊なシールにペンで声を録音し、シールに触れると「これは小松菜です」などと再生される「タッチメモ」という道具が紹介されました。
また、冷蔵庫を一度空にしてから、必要なものを1週間分だけ補充することで、記憶を頼りに管理しやすくする手法も提案されました,。
中途失明後、サックスの習得に挑戦し始めた参加者からは、「楽譜が見えない」という悩みが定期されました。それに対して、点字楽譜の活用や、盛り上がるペンで音符を立体化するアイデア、あるいはスマホの拡大機能を駆使して独自の譜面を作るなど、音楽を楽しむための支援が議論されました。
社会的なトラブルに関するニュースも共有され、視覚障害者が外出する際の安全確保の難しさが浮き彫りになりました。
リードを付けていない小型犬が盲導犬に接近し、盲導犬が驚いて急停止したことで飼い主が転倒負傷したという訴訟事件が紹介され、盲導犬に勝手に触る、声をかける、食べ物を与える、あるいはペットの犬を近づけるといった行為が、いかに使用者にとって致命的な危険(交通事故など)を招くかが再確認されました。依然として飲食店などで「犬は困る」と断られるケースが後を絶ちませんが、当事者たちは、丁寧な対話を通じて理解を広げていく粘り強いアプローチを続けています,,。
8月23日に予定されている、毎年恒例の「十勝の旅をしよう」の計画が紹介されました。
今回の旅のハイライトは、浦幌町立博物館における特別展示です。
通常の博物館では「お手を触れないでください」という規制がありますが、今回は学芸員の全面協力により、普段は収蔵庫にある熊の標本などを、特別に手で触れて鑑賞することが許可されました。見えないから楽しめない」のではなく、触覚を通じて歴史や自然を感じる、視覚障害者主体の観光です。
最後に、ホームページをアクセシブルに刷新したことが報告され、これまでは全体としてコンテンツが整理されておらず、ごちゃごちゃした感じがありましたが、当事者の意見を取り入れ、より使いやすいインターフェースへと改善しました。
行政の制度、最新の便利グッズ、あるいはトイレの閉め方といった些細なコツに至るまで、当事者同士が情報を共有し合うことが、孤立を防ぎ、困難な外出の自由を取り戻す道であることが皆で共有できたように感じました。
次回の交流会は、8月1日開催する予定です。
ロービジョンケア十勝交流会について
目が見えにくい方とそのご家族が、日々の生活の中で困っていることや悩んでいることを、気軽に話し合える場として「ロービジョン十勝交流会」を開催します。
目が見えにくい方は、読み書き、情報入手、移動・歩行、仕事、家事など様々な場面で不自由を感じているのではないでしょうか?
最近、このような方々を支える総合的な取り組みをロービジョンケアという言葉で表現するようになってきています。
目が見えにくい方やその家族、ロービジョンケアに関心のある方は、ぜひお気軽にご参加ください。
日時:偶数月の第3週土曜
ただし、8月は第1週土曜となります
午後1時から3時まで
定期的に実施します
場所 グリーンプラザB・C会議室
会議室は変更になることがあります
事前にお問い合わせください
連絡・お問い合わせ先
電話 0155-21-1414(鈴木)まで
Eメール lowvision@itokachi.skr.jp
主催:ロービジョンケア十勝
協力:
北海道盲導犬協会
北海点字図書館
ガイドヘルプボランティアくるみの会
かっこうの会
音訳研究会なすの会
十勝視覚障害者の会