2005年(平成17年)10月31日に障害者自立支援法(以下、自立支援法)が国会で可決成立され、2006年(平成18年)4月から順次実施されています。
施設や在宅サービス、医療に「応益(定率)負担」が導入されました。
サービスや医療を受けたときの利用料などの自己負担(一部負担)は、自立支援法実施前には、所得に応じて負担額を決めるしくみでした。
このしくみを2006年4月から次のように変更しました。
①施設ではかかった費用の1割と食費と光熱費を自己負担とする。
②在宅サービス利用料を原則1割負担とする。
③障害者公費負担医療(精神通院費や育成医療、更生医療など)を原則1割負担(入院のときはさらに食費負担)とする。
制度を再編
「障害ごとになっている福祉のサービスを一元化する」として福祉サービスを再編しています。サービスの提供主体も市区町村に一元化するとしています。
自立支援法は、次の5つに再編・統合されました。
①介護に関わる介護給付
②訓練に関わる訓練等給付
③市区町村などが地域の状況などに応じて行う福祉サービスの地域生活支援事業
④補装具交付の仕組みを変えた補装具給付事業
⑤育成医療・更生医療・精神通院医療の公費負担医療を再編統合した自立支援医療
このうち、地域生活支援事業を除くものが自立支援給付として位置づけられ、国の負担は決められた費用の2分の1を負担することになっています。
また、地域生活支援事業は、「市町村が地域の特性や利用者の状況に応じて柔軟に実施する」ものとされ、国は義務的に費用を負担しなくていいことになっています。
自立支援医療は2006年4月1日から、在宅で利用できる居宅系の介護給付・訓練等給付と、地域生活支援事業及び補装具給付事業は2006年10月から実施されています。
施設を利用しての施設系の介護給付・訓練等給付については2006年10月1日から5年間かけて順次新しい体系に移行しています。
障害者施策と介護保険との関係は、65歳以上(特定疾病による場合は40歳以上)の障害者は要介護または要支援の認定を受け、介護保険のサービスを受けることになりますが、障害者施策と介護保険制度との適用関係は次のようになります。
①両方に共通するサービスについては、介護保険からサービスを受けることが基本ですが、必要に応じて障害者施策からサービスを受けることもできます。
②障害者施策で実施されている在宅のガイドヘルプサービスなど、介護保険の保険給付にないサービスについては、障害者施策から受けることができます。
③施設サービスも、必要性が認められる場合に、障害者施設への入所や通所が認められます。
福祉サービスと自立支援医療の利用者負担(自己負担)は費用の1割です。ただしそれぞれ限度額があります。
自立支援制度には次のようなものがあります。
自立支援医療
自立介護給付
訓練に関わる訓練等給付
生活訓練
就労移行支援
就労継続支援(雇用型・非雇用型)
地域生活支援事業
相談支援事業
居住サポート事業
成年後見制度利用支援事業
コミュニケーション支援事業
移動支援事業
その他の事業